2016年12月18日日曜日

ボケの愉しみ Pleasures of Bokeh


しばらく放置していたブログ「写真の愉しみ」を再開する。
暮れも押し詰まって、新年まで半月を切った。
歳を重ねると共に暮だからあれも、これも片付けようなどという気負いは無くなった。 気負いが無くなったのではなく、気力が衰えたのか?
歳末らしい写真でも撮るかと、重い腰を上げて街に出てみた。街は華やいでいた。

Fujifilm X-T1 + Carl Zeiss Touit 1.8/32 1/60 f/2.8 ISO-800

2014年1月4日土曜日

光と影を愉しむ


かつて写真は「光と影の芸術」などと言われた。カラー写真が世に出る以前、写真は白と黒の濃淡、あるいは階調で表現されていた。そこに、色は無くとも十分な美を感じる事ができる。そしてモノクロームの写真はレトロ感や懐かしさをも感じさせてくれる。
20世紀最大の写真家、決定的瞬間を捉える写真家などと言われたアンリ・カルティエ=ブレッソン作品を見ると、それらはまさに「光と影の芸術」だ。
上の写真はカルティエ=ブレッソン気取りで、和服の似合う町結城での街頭スナップだ。古い町並みはモノクロームの写真が良く似合う。芸術と呼べるほどの写真ではないが、これも光と影の美しさだ。

撮影データ
カメラ:Fujifilm X-E1
レンズ:Fujinon, Super EBC XF18-55mm F2.8-4 R LM OIS
シャッタースピード:1/40
絞り:f/14 (絞り優先)
ISO-400
-0.3補正

2014年1月3日金曜日

部屋撮りの愉しみ

Germination by photoholic image

Germination, a photo by photoholic image on Flickr.

この季節、寒いうえに風景は冬枯れで寂しい。炬燵に入り箱根駅伝のテレビ中継を見ながらビールを飲んでいると、初詣風景でも撮ろうかという気持ちも失せてしまう。番組も終わり視線をテレビから窓際に移すと、柔らかい冬の日差しの中に水栽培のヒヤシンスと芽吹いたばかりの水仙があった。ならば、部屋撮りでも愉しもう、というわけで三脚にカメラをセット、窓を通して入る冬の日差しの温もりを感じながらの撮影となった。


撮影データ
カメラ:Olympus Pen E-P3
レンズ:Voigtlander Nokton 25mm f0.95
          1/160 (写真上)  1/125 (写真下)
          f/2 (写真上)    f/1.4 (写真下)
          ISO-200 (写真上) ISO-320 (写真下)
          補正無し
     aperture priority mode + centre weighted  
       

2013年12月17日火曜日

写真にまつわる本の愉しみ


写真の愉しみは撮るだけとは限らない。 先人の撮った写真を見ることも、写真を愉しむ道の一つだと思う。 今回は、明治後期に日本に来てさまざまな写真を撮りまくった英国人の本を紹介したい。 
ハーバート・G・ポンティング、1870年に英国南イングランドの裕福な銀行家の家庭に生まれた。カレッジを卒業後銀行勤めをするが肌に合わず、4年で辞める。アメリカ西部に憧れ、カリフォルニアに移住、果樹園の経営をするが失敗。 そして、写真家へ転身。
1901年から雑誌社のカメラマンとして日本を何度か訪問。その間、日露戦争の取材で日本軍と行動を共にする。日本滞在中には全国を回り、風俗、芸術、工芸、自然風景など様々な題材を写真に収める。 そして1910年に In Lotus-Land Japan という本を発表する。これは日本滞在記兼写真集といった内容だ。 「英国人写真家の見た明治日本」というタイトルで翻訳書が講談社学術文庫から出版されている。
101点にものぼる彼の撮った写真と手記は明治後期の日本の姿を克明に捉えていて、現代の日本人にも必見の書である。 なによりも、彼の手記は日本の文化や工芸、美術に真摯な目を向け、正しく理解しようとする態度が文章の端々から読み取れる。 さらに、富士山、阿蘇、浅間山登山や保津川渓谷下りなど、冒険譚としても面白く読める。

なお、明治期に日本を訪れて紀行文を残した外国人はあまたいるが、中でもとりわけ面白い紀行書と言えばイザベラ・バードの日本紀行だ。原題はUnbeaten Tracks in Japan, 「人跡未踏の日本で 」とでも訳せるだろうか。彼女はポンティングよりも20年以上前の開国間もない日本を旅し、その途上の折々に英国の妹あてに出した書簡をまとめ紀行文として出版した。
伊藤という従者一人を伴い、東北をめぐり蝦夷地(北海道)にまで足をのばす。
東京を発ち、千住、春日部と経て栃木に泊る。栃木の宿では、初めての外国人女性を見たさに、障子に無数の穴が開けられ、そして覗かれる。プライバシーの無さを嘆き、宿屋で開かれていた宴会のどんちゃん騒ぎに辟易するくだりは面白い。日光に着き、金谷邸(現日光金谷ホテルの前身)に逗留、プライバシーが保たれる環境や、金谷邸の主をはじめとする人々の温かい接遇、日光の自然などに触れ、気持が癒されてゆく様子がつづられている。 写真集ではないが、明治初期の日本、当時未開にも等しい東北の様子や風景などの細かい描写と、バード自信が描いた多くの挿画とともに興味が尽きない。ポンティングの紀行書と併せて一読をお勧めする。

撮影データ
カメラ:Panasonic DMC-GX7
レンズ:Olympus M. Zuiko Digital 12mm F2.0 Limited Black
Exif Data:シャッタースピード 1/60
              絞り          f/10 (Aperture Priority Mode)
              露出補正              無し
       ISO-1600             ISO auto mode
              焦点距離              12mm
              測光モード      Centre weighted       


2013年12月16日月曜日

ボケの愉しみ


写真表現の方法の一つに"ボケ"がある。 主題を際立たせる手段として広く知れ渡っている。 カメラ雑誌の撮影技術紹介でも良いボケ、悪いボケなどと解説が特集される。
レンズによっても得られるボケの美しさは千差万別、人によっても好みが分かれる。
上の写真、構図的には日の丸構図などと揶揄される程に平凡ではある。しかし、ソフトなボケ味は美しい。 なお、ボケは英語でもbokehと表現されている。
機材はオリンパスPen E-P3フォクトレンダー・ノクトン25mm F0.95の組み合わせだ。
このレンズ、35mm換算で言えば焦点距離50mmのレンズに相当するが最短撮影可能距離は170mm。即ち、被写体にグイッと近寄っての撮影も可能。作品はマクロで撮ったのかと聞かれる程だ。f/4からf/5.6あたりで撮影すると抜けの良いシャープな画像が得られる。発色の良さは言うまでもない。また、他のマイクロフォーサーズ用レンズから比べて重く感じる。手にするとずっしりと持ち重りがする。外装はフォーカスリングや絞りリングを含めすべて金属製で高級感がある。
F値が0.95と驚異的な明るさなので、NDフィルターやC-PLを付けて常用している。

撮影データ
カメラ:オリンパスPen E-P3
レンズ:フォクトレンダー・ノクトン25mm F0.95
Exif data:シャッター・スピード  1/1000
             絞り                        f/1.4
             露出補正                 +0.7
                                           ISO-200
              測光モード               中央重点測光

photoholic image's photos on Flickriver

2013年12月14日土曜日

マクロの愉しみ

First shot by DMC GX-7 by photoholic image
First shot by DMC GX-7, a photo by photoholic image on Flickr.

庭先に咲いた小菊の花に小さなハチがとまっていた。 花壇の手入れをしていた折に見かけた。腰に下げていたカメラですかさず撮影の一枚だ。
常に何がしかのカメラを手元から離さないように心がけている。今のところは、衝動買いしたばかりのPanasonic Lumix DMC-GX7だ。

レンズはOlympas M. Zuiko Digital 12-50mm  F3.5-6.3 EZだ。 このレンズも半ば衝動買いで、値段が安かった割に防塵防滴 構造に加え、電動ズーミング、マクロ機能まで付いていて、しかも軽量であるところが気に入った。電動ズームは動画撮影の際、手ぶれを防ぎスムーズなズームイン・アウトが可能なところが良い。 上の写真は、マクロで撮影の一枚。

撮影データ
カメラ:Panasonic Lumix DMC-G7
レンズ:Olympus M. Zuiko Digital 12-50mm F3.5-6.3
Exif data:シャッター・スピード 1/100
            絞り                       f/9
            露出補正                +0.3
            ISOオート                ISO-640
            焦点距離                43mm マクロモード (35mm換算 86mm)
            測光モード              中央重点測光

2013年12月7日土曜日

朝霧の風景


川霧が発生した。放射冷却で地表の温度が下がり、しかも、無風という気象条件が重なるとみられる現象だ。撮影は12月2日午前7時24分。
地表を覆う靄をとおして太陽の光が柔らかく草地を照らす。たまたま所用で通りかかった折の撮影だ。
機材はPanasonic Lumix DMC-GX7というマイクロフォーサーズ機のミラーレス一眼にレンズはオリンパスの M. Zuiko Digital12-50mm F3.5-6.3 EZとの組み合わせだ。外出の際には必ず携行するカメラの中の一台である。
DMC-GX7はパナソニックのこれまでのカメラから大きく殻を突き破った製品という評価ができる。従来のパナソニックカメラの手ぶれ補正はレンズ側であった。しかし、今回のこの一台はボディ内手ぶれ補正が採用された。このため、オールド・レンズを使う際にも手ぶれ補正が有効となる。さらに、コンパクトなボディーにもかかわらず、EVF(Electronics View Finder)が内蔵されたことも大きな特徴。
マイクロフォ-サーズ機はこれまで、おもにオリンパスのPen E-P3を使用してきた。しかしPENはEVFが外付けで嵩張ることやいちいち取り付け、取り外しが煩わしく、Pen E-P5が発売されてはいたが購入をためらっていた。
EVF内蔵機が出ないものかと待ち望んでしたところ、DMC-GX7は希望に叶うカメラであったため、リリースされるなり飛びついたといういきさつがある。
撮影データ
カメラ : Panasonic LUMIX DMC-GX7
レンズ :  Olympus M. Zuiko Digital 12-50mm F3.5-6.3 EZ
Exif Data : シャッター・スピード 1/1600
               絞り           f/8
               露出補正       0ステップ
       焦点距離       28mm